子供にまだ夢がないからといって、親が進路の方向性を示すことまで
遠慮する必要はないと、私は考えています。
この記事で分かること
- 01子供自身の夢が決まるまで、親は何も決めない方がいい?
- 02親の希望から始まった進路を、子供自身の目標にするには?
- 03将来の夢がまだないとき、家庭と塾は何から始めればいい?
「この学校に進んでほしい。
でも、親の押し付けになってしまうのでは」。中学受験や高校受験を前に、そう迷う保護者の方もいらっしゃると思います。
子供の意思を尊重したい。それは大切なことです。
ただ、本人が将来を決められない間、
大人は何も示さずに待つべきなのでしょうか。
ここでは、Boost Academyの塾長としての考えをお伝えします。
親が夢や進路の方向性を示すのは、悪いことなのか
よく「子供に将来何をやりたいかを決めさせて、その道を歩ませる」という記事や言説がもてはやされていますが、果たして本当に
それは正しいのでしょうか。
もちろん、親から見ても応援できるようなしっかりした夢を幼い頃から持っている子は、それでもいいと思います。でも、たかだか10年から15年、ないし18年しか生きていない子供が、一生を決めるような夢をみんな
持っているものでしょうか。
親が考える幸せを子供に願うのは当然のことです。そして子供がその親からのある種の「夢の押し付け」を否定し、そこから脱却しようとするのも、一つの自立のあり方です。ですから、親が「この学校に行かせたい」などと考えるのは押し付けがましいと思うかもしれませんが、それで全然問題ありません。
一番良くないのは、
子供に夢がないから、あるいは子供がどうしたいかを言わないからといって、
中学受験や高校受験をさせてあげないことです。努力するべき時にしっかり努力する
という経験をさせてあげないといけません。
子供にまだ夢がないことを理由に、
受験や努力の機会まで見送ることが、
一番良くないと私は考えています。
「自分で決めるまで待つ」と「考える材料を渡す」は違う
親が最初の方向性を示すことと、
子供が考える余地をなくすことは、同じではありません。
例えば、まだ行きたい学校を挙げられない子には、次のように関わることができます。
- 候補を示す学校の候補を紹介する。
- 理由を話す学校の魅力や、そこで学んでほしい理由を伝える。
- 親子で話す親子の話し合いを始める。
子供に「どうしたい?」と聞くことだけが、本人の考えを大切にする方法ではありません。
何を比べたらよいかも分からない状態なら、大人が先に考える材料を用意する役割もあります。
親の希望を隠して、本人から同じ答えが出るのを待つ必要もないと思います。
一方で、親が候補を示した後に、本人から違う希望や疑問が出ることもあるでしょう。
それは、進路について本人なりに考え始めた機会でもあります。
最初に親が決めた方向から変わったとしても、そこまでの話し合いや努力が無意味になるわけではありません。
出発点は親の希望でも、目標を語るのは子ども自身
では、親が子どもの目標を決め、それに従わせていればよいのでしょうか。
いいえ、それも違います。
目標の出発点が親の言葉だったとしても、
子どもとその目標をしっかり共有しておくことが大切です。
候補を示す親子で
共有する子どもが
目標を語る
大人だけが「この学校を目指しています」と言っていて、本人は何のために勉強しているのか分からない。
そのまま毎日の宿題やテストだけが積み重なっていく状態は、見直したいところです。
志望校を最初に誰が挙げたかだけで、主体性があるかないかを決める必要はありません。
親が紹介した学校を、子供自身も目指すようになることはあります。
まずは家庭で、目指していることを同じ言葉で話せるか、確かめてみてください。
将来の夢が決まらなくても、今週の努力は決められる
むしろ今目標がないのであれば、ひたすらやるべき宿題などの勉強に取り組んでみてください。
今やるべきことに全力で取り組むことの先に、
初めて夢が見つかるとブーストアカデミーでは考えています。
「何になりたいか分からないなら、
何のために勉強するのか
分からない」。
そうやって将来の夢と目の前の勉強を一つにしてしまうと、夢が決まるまで何も始められなくなります。
でも、今週取り組む目標なら、例えばこう決められます。
- 漢字テスト今週のテストで
100点を目指す。 - 復習テスト毎週のテストに向けて、
間違えた問題を解き直す。
こうした目標は、将来の職業がまだ決まっていなくても取り組めます。
目標の大きさは、その子の現在地に合わせて考えます。
私たちがつくりたいのは、ただ忙しく勉強させる時間ではありません。
目標に向かって、次の流れを経験してもらうことです。
確かめる
うまくいかなかったときも、何を変えればよいかを考えて次に進む。
志望校だけでなく、努力の進め方も学んでほしいと考えています。
将来の夢を無理に立派な言葉にさせるより、まず目の前の一つを本気でやり切る。
そこから話せることが増えていく場合もあるはずです。
夢がないことを責めるのではなく、
今できる挑戦を用意するのが大人の役割だと思います。
家庭で方向性を共有し、塾で実行できる計画にする
「子どもたちの可能性は無限大」と言えるのは、
子どもたちが熱意を持って何かに取り組んでこそです。
ブーストアカデミーでも、子どもたちが本気で取り組む姿を見ながら、その可能性を日々感じています。
子どもたちは確かに無限大の期待値がある宝くじを持っているかもしれませんが、
才能を磨くために努力しなければ、その宝くじは紙くずになります。
家庭では将来の方向性を子どもと共有し、
塾では現状に合う短期・中期の目標に落とし込んで実行させる。
この役割分担が重要なのです。
-
家庭志望校や将来の方向性を、
子どもたちとすり合わせる -
塾共有した方向性を、
現状に合わせて短期・中期の目標に落とし込み、実行させる
「志望校に合格したい」という目標だけでは、今日どの教材を開けばよいかまでは決まりません。
本人の理解度、できていること、残っている課題を見ながら、実際に進められる単位に分ける必要があります。
Boost Academyでは、例えば次のように期間に応じた目標を考えます。
- 1週間漢字テストや復習テスト
- 1か月その時期の定期試験
- 3か月模試やテキスト1冊の完成
全員に同じ課題を渡すのではなく、その子の現状を出発点にします。
期間別の目標については、家庭と塾で分ける長期・短期目標で詳しく紹介しています。日々の支え方は、家庭・子供・塾でつくる学習習慣の伴走体制も参考にしてください。
よくある質問
親が示した志望校では、本人の目標にならないのでしょうか?
誰が最初に示したかだけでは決まりません。親が候補を示しても、本人がその学校を自分の目標として語れるように擦り合わせていくことを大切にしています。学校名を復唱させること自体が目的ではありません。
途中で子供が違う進路を希望したら、どう考えますか?
親の期待から離れ、自分で別の道を考えることも自立の一つだと考えています。何が変わったのか、なぜその道を考えたのかを聞き、改めて方向性を話す機会にします。目標を変えることと、努力することをやめることは分けて考えます。
夢がない子の相談でも大丈夫ですか?
もちろんです。将来の職業が決まっていることを、学習相談の前提にはしていません。保護者が考えている進路、本人が話していること、今の勉強の様子から整理し、まず取り組む目標を一緒に考えます。
