「ケアレスミスだった」で終わらせず、何をどう間違えたのか、原因まで言葉にすることが大切です。
「分かっていたのに、うっかり間違えただけ」。
中学受験の算数や、中学生の数学で、こんな振り返りをしていませんか。分かっていた問題で点を落とすのは悔しいものです。でも、「次は気をつける」だけでは、何を変えればよいのか決まりません。
この記事で分かること
- 01「ケアレスミスだった」だけでは、なぜ次につながらない?
- 02間違いの内容と原因は、どこまで具体的にすればいい?
- 03解き方は分かっているのに、なぜ練習も必要なの?
「ケアレスミス」は、原因の説明になっていない
私は、勉強で行き詰まったとき、何が起きているのかを言葉にすることを大切にしています。問題を具体的に説明できると、次に取り組むことも決めやすくなるからです。
同じ「計算ミス」でも、自分で書いた数字を読み違えたのか、答えを書くときに別の数字が混ざったのか、計算の手順そのものが曖昧だったのかでは、見直す場所が違います。
「計算を間違えた」から一歩進み、どの段階で何が違ってしまったのかを確かめます。
答案を見ずに「集中力がなかったから」とまとめてしまう前に、実際に書いたものを見てほしいのです。
私が「480÷3=180」と書いてしまったとき
私自身、子どもの頃はミスが多く、なかなか減らせませんでした。今でも覚えているのが、480÷3の答えを180と書いてしまったことです。正しくは160です。
書いてしまった答え
480 ÷ 3 = 180
正しい答え
480 ÷ 3 = 160
なぜ180になったのか。振り返る中で、私は「160と書く瞬間に、問題にある480の『8』が目に入り、引っ張られたのではないか」と考えました。
これは私自身の記憶をたどった説明であり、当時の頭の中で起きたことを証明できるわけではありません。ただ、私にとっては、ミスを具体的に言葉にできた大きなきっかけでした。
それまでは「また間違えた」で止まっていました。ところが、一つのミスについて理由を考えられたことで、ほかの間違いも「なぜ、この答えになったのだろう」と見るようになったのです。
私にとってミスを言葉にすることは、自分を責めるためではなく、次に直す場所を見つけるための一歩でした。
答えが違うという結果だけでなく、そこに至る途中を見る。この視点は、ご家庭で答案を振り返るときにも使えます。
例えば480÷3であれば、書いた答えを3倍して480に戻るか確かめる方法があります。180×3は540なので、元の数字と合いません。「見直す」を、このような具体的な確認に置き換えるのです。
1回できることと、試験で繰り返しできることは違う
「この計算はできるから、もう練習はいらない」。そう考えたくなることもあるでしょう。
でも私は、余裕のあるときに1回正解できることと、時間の限られた試験で何度も正確に処理できることを分けて考えています。
縄跳びでも、1回跳べるようになったことと、続けて何度も跳べることは同じではありません。続ける中で引っかかるなら、どこで崩れるのかを確かめながら練習する必要があります。計算も、私はそれに近いものとして説明しています。
1回正解できても、試験中に繰り返し正確に解くための練習が足りているとは限りません。
また、指導する中では、理解が曖昧なまま手順を追っていると、急いだ場面でミスにつながりやすいと感じています。だから、単に問題数を増やすだけでなく、解き方を理解しているかも確かめます。
すべてのミスを理解不足や練習不足と決めつける、という意味ではありません。その子の答案を見ずに、原因を一つに決めないことが大切です。
振り返りは「次に変えること」まで決める
ミスの原因を考えるだけで終わると、次の問題でも同じ解き方に戻ってしまいます。振り返りでは、次の三つをつなげます。
- 間違いの内容→どこに、何と書いてしまったか。
- 原因の候補→数字の読み違いか、書き間違いか、手順の曖昧さか。
- 次の行動→どの数字を直すか、何を確かめるか、どこを練習するか。
例えば自分の6を0と読み違えたなら、「全部もっと丁寧に」ではなく、まず6と0を書き分ける。計算手順が曖昧なら、その手順を確認してから解き直す。原因に合わせて、やることを絞ります。
原因が違えば対策も変わります。「もっと気をつける」ではなく、次に変える行動を一つ決めましょう。
家庭で話すときは、例えば「どこから答えが違ってきたか、一緒に見てみよう」という入り方もできます。すぐ説明できなければ、大人が答案の該当箇所を指しながら整理して構いません。立派な反省文を書くことが目的ではありません。
解き直しの進め方は、宿題を3周して教材を吸収する方法でも紹介しています。勉強全体がうまく進まないときは、学習法を見直すための解説も参考にしてください。
よくある質問
原因がはっきり分からないときは?
無理に一つの理由を答えさせる必要はありません。「ここで数字が変わっている」など、答案で確かめられる事実から始めます。原因の候補を考え、次に解くときに同じことが起きていないか確認します。
ミスが減るまで、計算問題を増やせばよいですか?
練習が必要な場合もありますが、量だけで決めません。理解の確認が必要なのか、数字の書き分けなのか、計算を繰り返す練習なのかを分けて考えます。
Boost Academyでは、個別指導の受け答えと自習での取り組みを見ながら、何を直し、何を練習するかを一緒に整理します。算数・数学のミスが続いているときは、普段の答案やノートをもとにご相談ください。
